こずえレディースクリニック 院長ブログ:東京都目黒区祐天寺駅近く女性外来・心療内科「こずえレディースクリニック」布施梢院長ブログ

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2008年06月26日

過食とダイエット(その6)

専門課程に進学してまもなく、私は家から離れて暮らすようになりました。家族のうるささに音をあげたためです。無責任なおしゃべりが四六時中絶えぬ家庭でした。何が幸いするやら、この環境に育ったことで、他人の話に割り込んで自己主張する技術を学んだのかもしれません。家を出て、禁止されていたアルバイトで生活費を稼ぐことにしました。それで勉強とアルバイトで時間がほとんどなくなって、そのしわ寄せが食生活に及びました。食べる内容は無視して 食欲をみたすことと手間のかからないものを短時間で口に詰め込むことを目的とした食事とはとても言えぬものでした。バカな学生の私は栄養学の知識を実践することなど思いもよらず、卵を2パック買ってきて、全部茹でて冷凍したものを毎日2個づつ解凍して食べたり、クッキーにジャムを塗ってトーストの代わりにしたり、当時新発売されたインスタントラーメンを大量に買い込んで順番に食べていました。私の作ったものは超まづかったのでとても余分に食べる気にはなれません。だから体重は増えませんでした。それで外見は変わらなかったのに、内部事情はすごいことになっていたのです。

うちの女性家族は貧血傾向を持っており、私も大学入学時に貧血を指摘されていました。寮の食事は栄養管理されていたので大丈夫でしたが、その後の一人暮らしの不節制は鉄欠乏性貧血を引き起こしました。或る日、体がだるくて異常に疲れることに気がつきました。何かするとすぐに動悸がして立っていられなくなります。そして変なものを食べるようになりました。レモンの皮をかじったり、土の壁をほじってその壁土を食べたりしました。これらは貧血が重傷になってきたサインだったのです。しばらくして、定期健康診断が行われ受診した際に貧血の精密検査が必要と言われてしまいました。そこでやっと食事が悪いのだと気がつきました。 そのほかにも貧血による症状がでていました。二十歳すぎの女の子なのに所帯じみてやつれた人のように髪が赤茶けてパサパサで、皮膚はくすんだ黄色に粉がふいたようになりました。凄味があって嫌いではなかったのですが、イメージが悪いので早速方向転換することにしました。

病院からの呼び出しは無視して、自分で治療を開始しました。鉄剤を服用して、蛋白質とビタミン、ミネラルをたっぷりとる食事に切り替え、カロリーには目をつぶりました。食事療法5日目に頬がピンク色に染まりました。階段を上るのが苦しかったのに楽になっていました。そして皮膚に張りが戻り輝いて、なんと可愛いくなったではありませんか!人間の再生力はすごい!と感動して能天気にお得な気分にひたってしまいました。本当に現実の認識が甘かったわ。

 

 

 

投稿者 kozue : 08:01